岡部歯科クリニックで歯周病を完全に克服した患者さんに共通することは、歯周病についてきちんと理解し、歯周病管理の重要性を認識して下さっている方々です。
どんなに良い薬を使って手術をしても、どんな高価な電動歯ブラシを使っても、モチベーション高く歯周病ケア、管理を続けた患者さん程の結果は出ていません。
また、地道なケア、管理をしっかりとされる方が初めて歯周外科手術、歯周組織再生療法にたどり着き、最良の結果を生むのだと考えています。
—Kazutaka Okabe D.D.S
歯周病の基礎知識
もし上記の症状が一つでもあてはまる方は、一度歯周病検査を受けて下さい。既に歯周病にかかっている可能性があります。
歯周病とは、字のごとく「歯の周りの病気」。歯の周りとは歯茎や歯を支えている骨、歯の周りにある膜などを指します。
初期〜中期ではあまり痛みは出ませんが、痛みが出る段階まで放置すると、歯を残すことが非常に難しい重度の歯周病になってしまっている場合があります。
現在歯を失う一番の原因が歯周病なのも、重症にならないと症状が出てこないことが大きな原因の一つと言えるでしょう。
歯周病の原因は、歯と歯茎の隙間にある歯肉溝(歯周ポケット)というところに細菌が感染することによっておこる、いわゆる「感染症」です。しかしその発症や進行には、糖尿病などの全身疾患や、遺伝、喫煙、精神的ストレス、食生活などの生活習慣も関与しているため、非常に複雑な病態をしめします。つまり「生活習慣病」なのです。
近年の医学の発展は目覚ましく、遺伝子解析の分野でも、生活習慣病になりやすい体質をつくっている遺伝子が次々と明らかになってはいます。しかし治療や予防に応用されることは現時点でまだ難しいと言えるでしょう。明らかになった個々の遺伝子の発症への関与が、生活習慣の影響に比べればはるかに小さいからです。
歯周組織再生療法
リグロスを用いる 歯周組織再生療法とは
フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスによる歯周組織の再生
これらの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。
エムドゲインについて
エムドゲイン® ゲルは、歯周治療における歯周組織再生環境を提供します。 歯周組織に存在する各細胞に対し、創傷治癒環境を提供するブタ歯胚組織を使用した歯周組織再生用材料です。
エムドゲイン® ゲルによる歯周組織再生治療
歯周病治療と歯周組織再生
歯周病により歯周組織が破壊されると結合組織性付着が失われます。そこには上皮のダウングロースによる深いポケットが形成されます。 理想的な歯周組織の再 生は、接合上皮付着が最小限必要であることに加えて、コラーゲン繊維が封入された新生セメント質の形成による新付着と、これに伴う新生骨を獲得することな どであり、この再生すなわち歯周組織再生を可能にするために、今まで様々な研究がなされてきました。そのひとつとして失われた歯周組織を修復するために、 歯周外科治療などが試みられていますが、多くの場合、ごく一部の結合組織性新付着と長い上皮性再付着の形成による治療となっています。
エナメルマトリックスたん白質
歯 の発生期に重要な役割を果たすタンパクのひとつに、エナメルマトリクスたん白質があります。このたん白質はエナメル上皮が分泌するアメロジェニン・ファミリーのひとつで、歯根形成時にヘルトウィッヒ上皮からも分泌されており、エナメル質の形成だけでなく、セメント質の形成や機能性を有した付着組織の発達に 関わることが示されています。このことからエナメルマトリックスたん白質は、歯周組織再生環境の提供に役立つと考えられています。 EMDとは、エナメルマトリックスたん白質を含むたん白質分画であり、このEMDに着目してスウェーデンのビオラ社(BIORA AB)が開発した製品がエムドゲイン® ゲルです。
細胞レベルでの作用
エムドゲイン® ゲルは不溶性たん白質のマトリックスを形成します。このマトリックスは歯根表面に2~4週間とどまり、選択的な細胞の定着、増殖と分化を可能にします。
※(保険適応外)
GEM21S
歯槽膿漏の治療方法に再生療法がありますが、その一つがGEM21S法です。
GEM21S法は、歯槽膿漏によって失われた骨を回復させ、しっかりとした骨組織を作ることを目的とした再生療法の一つですが、アメリカでは最新の再生療法と言われています。このGEM21S法は健康保険適応外となっていますし、日本の厚生労働省の認可は下りていません。
GBR法のよう膜を設置することも、それを取り除く再手術も不要ですし、根の分岐部の骨吸収にも有効とされています。しかし、GEM21S法にも問題もしくは欠点はあります。βTCP自体は、吸収しやすいものですから、長期の安定性は課題が残されています。
歯の周囲の一部分に骨の欠損がある場合は有効なのですが、歯の周囲の全体にわたって骨がない場合は、無効とされています。
また、効果が現れるのに半年はかかると言われています。